今日はおうちでの歯みがきについてです。
この写真は5ヶ月のミニチュアダックスさんです。


乳歯と永久歯の生え変わりの時期ですが歯並びもきれいです。
ご家族の方がおうちでの歯みがきを頑張っていただいているので、ご覧の通り白くてきれいな状態ですね。

一部乳歯が残っていますが、こちらの経過は定期的に確認していきながら、引き続きこのきれいな状態を維持するために
デンタルケアを続けていきましょう!とご家族とお話をさせていただきました。
さて、5ヶ月のコでこんなに早くから歯みがきが必要なの?と思われるかもしれません。
実は、わんちゃんねこちゃんも、人間と同じく毎日の歯みがき習慣がとても大切なのです。
ヒトのように虫歯予防ではなく、わんちゃん、ねこちゃんにとっての歯みがきの目的は、歯肉炎や歯周炎などの「歯周病」を予防することです。
歯周病は近年では1歳の犬の90%は何らかの歯肉の病気がみられるという報告もあり、早い時期からの歯周病の初期症状がはじまるといわれているため、早い時期からの予防が大切ということがわかってきました。
では、歯周病を予防するためにはどうしたらいいか?
これは「歯垢がつかないようにする=歯周病菌コントロール」です。
つまり、歯周病予防のためには「細菌の増殖を防ぐ」=「細菌の増殖元の歯垢を除去する」ことが必要になってきます。
そのために、毎日の歯みがきが大切、ということです。そう考えると、人も一緒ですよね。
若いうちはきれいだし歯みがきしなくいいんじゃないの?と思われがちですが、早めに歯みがきを始める最大の理由は、「歯みがきに慣れてもらう」ためです。
もともと動物さんには歯みがき習慣はありません。「歯みがきしなきゃ!」という気持ちもありません。
どちらかというと、口をいじられることは結構嫌なことです。
嫌なことを毎日続けなければいけないのは、人も動物さんも大変ですよね。
これまで何もされなかったのに、ある日突然、ご家族に口の中をいじられたりしたら、動物さんもびっくりしてしまいます。
さらに歯肉炎がだいぶ進んでしまったお口に歯みがきをすると、痛くて余計に嫌がる場合もあります。
良かれと思って歯みがきしたら嫌われた・・・、怒って触らせない・・・、というお悩みは沢山うかがいます。
毎日必要なケアだからこそ、無理をしないこと、痛くしないこと、小さいときから少しずつ少しずつ段階を踏んで慣れてもらうことが必要です。怖くないとわかってもらう・歯みがきに慣れていく・習慣にしていくと、動物さんとご家族にとってもストレスが少なく、そして継続できるようになります。
最初にご紹介したダックスちゃんはご家族のきめ細かいケアのおかげで、病院でもいい子で歯を見せてくれるので、このまま長くケアを続けていただけるよう当院もサポートさせていただきます。
また、毎日の歯みがきが大事なことはわかっているけど、歯ブラシは大きいし、奥は磨きにくいし・・・と現実的に苦労する場合もあります。 しかし、歯ブラシにも様々な種類がありますし、デンタルジェルのような塗るものから、指に巻き付けて磨く歯磨きシートなど色々なものが今はたくさん存在します。
当院ではその子にあった方法をご家族と一緒に検討していくこともできますので、歯やデンタルケアの事でお悩み等ありましたら、診察の際にご相談いただくか、当院のお問い合わせフォームよりご相談ください。