皆さんはこの子の歯石や口腔内の見た目はどの様に感じますか?
今後どう診療を受けていこうと思いますか?
- 少し歯石がついている、歯茎も少し赤いし、動物病院で検診を受けてみよう。
- あまり見た目に歯石がついていないので、狂犬病ワクチンの時に病院で聞いてみよう。
- 痛くなさそうなので大丈夫でしょう!歯磨きもしているし、病院には行かなくてよいや。
- 歯磨きは嫌がるし、ガムは太るかもしれないし、痛そうではないので放置。
3ヶ月後の検診
3ヶ月後には病態が悪化し、上記の様な状態になっていました。
もちろん、こんなに早く悪化しない子も沢山います。
大事なこと
- 今の状態を見た目で判断しないこと、
- 検査によって現時点の状態を把握すること
- 定期的に検査を実施して、状態がどんなスピードで変化しているのかを把握すること
- ①~③を踏まえて対策をたてること
歯垢(プラーク)
- 口腔細菌や細胞の残骸、唾液由来のタンパク質、食物のカス等で形成される
歯垢1mg中には約100億個の細菌が存在
歯垢中の細菌が歯周病の原因 - 歯垢中の細菌には、抗菌薬や免疫細胞の効果は低い
バイオフィルム形成のため - 歯垢(プラーク) が唾液中のCa等で石灰化したもの
歯石内の細菌は死んでいるため病原性はない - 犬 : 約3~5日で形成
ヒトの約5倍の早さ
猫では約1週間 - プラークの増加因子として重要
歯石の表面はザラザラしているためプラークが付着しやすい - 歯石があると、 十分なプラークコントロールはできない
- 歯石の量≠歯周病の重症度
口腔内の見た目だけでは判断ができない